10周年ツアーが終わる頃にレミオロメンのファンになった人の話

今のわたしの「好きな音楽」の基盤になっているもの、わたしに「音楽の楽しさ」を教えてくれたバンド。
レミオロメン

ジャニヲタになる前の話。
わたしはもともとあんまり音楽を日常的に聴く人ではなくて、移動の時でも好きでもない音楽を聴くぐらいなら何もない方がマシと思ってた。
それでも大学生の時、何か好きな音楽を見つけたいと思って、有名なアーティストの音楽を片っ端から聴いていたんだったと思う。
その中で「レミオベスト」に出会った。
どの曲も好きだったけど、特に南風を歌う藤巻さんの声にすごく惹かれて、すぐに「この人たちのライブに行ってみたい」って思った。
そんな風に思ったのは初めてだったし、ライブなんて言ったことなかったからどんなものなのか想像もつかなかったけど、とにかく行ってみたいと思った。

それが2010年の12月、レミオの47都道府県ツアーがちょうど終わった頃のこと。

10周年に間に合わなかったことはずっと後悔してて、せめてあと半年早ければ…っていうのは何回も思ったけど、それはもうしょうがないかなと思ってる。
粉雪に3月9日、高校の時には先輩が持ってきたHORIZONが部室でずっと流れていたし、これまでもレミオの音楽に触れる機会はたくさんあったはずなのに。
なんでこのタイミング?っていうのも何度も思った。笑

けれど、ぎりぎり2011年3月のツアーには間に合った。
今思えば本当にラッキーだったと思う。

わたしは横アリ3月9日、10日両日参戦することができたんだけど、一番鮮明に覚えてるのが五月雨。
真っ暗なステージに赤い照明、藤巻さんのシルエット、ギターソロ、重なっていく音、そして始まった五月雨の演奏。
すごくすごくかっこよかった。
五月雨って正直そんなに好きな曲ではなかったんだけど、その時の演奏が衝撃的で、それ以来わたしの音楽の好みそのものが変わった。

それまではガチガチのバンドサウンドって苦手だったんだけど、あの日から徐々に徐々にいわゆるロックとかを求める気持ちが強くなっていった。
今ではキュウソネコカミにはまっちゃうぐらい。笑
たぶん昔の自分じゃビビったとかかっこいいと思えなかっただろうなあ。

何しろ、レミオに出会うまではベースがどんな形してて、どんな音が出る楽器なのかすら知らなかったぐらいだし。
レミオを好きになって、神宮司さんと前田さんのことも知って、この二人の音も自然と曲の中から探すようになって。
ベースの音は、DVDとか動画とか見て前田さんの手の動きと合ってる音を探して覚えた。


ファンになったきっかけは藤巻さんの声だったけど、いろいろ調べたり昔の曲まで聴き込んだりしていくうちに、メンバー一人ひとりの個性や穏やかな人柄、楽曲のセンス、いろんな要素にどんどん引き込まれていった。
中でも一番大きかったのは作詞のセンスかもしれない。

冬の寒さ厳しく
春の風は優しく
夏は輝き
秋の空もまた美しい

この一節が本当に大好きで。
四季の美しさを歌った歌はたくさんあるけれど、この表現がドンピシャだったというか、この人とは見えている世界が同じなのかもと思えた。

この人はよく空を見る人で、季節に敏感な人なのかなと思った。
空の美しさ、季節の移ろいや四季の機微、表情、力強さ、そんなものを大切にする人で、そういうものを「良い」と考える人なのかなって。
今までだれかに「冬の匂いがする」なんて言っても不思議な顔されることの方が多かったから、そんなことがすごく嬉しかったんだ。

季節の描写以外でも、花鳥風月の

君はたまに真面目な話をする
ちょっと悩んで そして二人で笑って

ってところとかすごく好き。
想像したら、なんてことない日常の景色だけどすごく幸せな光景に思えたから。
たまに真面目な話をして、ちょっと悩んで、分かんないねって二人で笑って。
なんかもう、そういう描写の一つひとつが全部全部どストライクだった。

日めくりカレンダーの夏の情景とか、深呼吸に描かれた藤巻さんの宇宙、流星の切なさ、透明の人間同士の摩擦とか。
素直に共感できるもの、分かりそうで分からなそうでやっと分かった気がするもの。
藤巻さんの歌詞はたまに難しいこともあるけれど、それが良いんだ。

もちろんわかりやすい歌詞にも良いところはあるけれど、できれば、藤巻さんには分かりやすさとか考えずに、自分の感覚の思うままに作詞も作曲もしてほしいなと思う。



レミオロメンだけしかなかった大学生の頃に比べたら、今は他にもいくつか好みの音楽を見つけたし、少し視野も広く見えるようになったと思う。

なんで今さらこんな話をしだしたかって、最近すっごく久しぶりに(たぶん年単位)Flash and Greamを聴いたら、本当にタイトル通り眩しいくらい輝いていて。
勢いと荒削り感と、笑
その時の会場の盛り上がりが真っ直ぐに伝わってくる。
中でも2曲目の1-2 Love Foreverのきらきら感がすごくて、

今日が最高って言えなくたって
明日を愛することに理由はいらないぜ

って言葉が真っ直ぐに刺さった。
もともと大好きな一節だったんだけど、なんていうか、「ライブいいなあ」って気持ちも一緒にふつふつと湧いてきて。

前述の通りわたしは2011年のツアーには行けたけど、当時はファンになってたった数ヶ月だった。
その後何年間もかけて聴き込んで、悶々としながら待ち続けて。
今は音楽の嗜好も、それぞれの曲に対する感じ方もあの時とは違う。
今、滑走路ライブみたいな熱いライブをされたらわたし最初から最後まで泣き続けるんじゃないかなっていう気さえする。笑

いつかそんな日が来るのを夢見てじっと待っているファンもいますよってこと、なんだか書きたくなって書いてみた。


また今度、活動休止してからのこととかも書きたいな。
藤巻さんがソロになるって発表した前後数ヶ月は毎日のように泣きながら鬱日記書いてたw
今はそんなことないけど、当時は本当にレミオがわたしの好きなものの全てだったから。

でも未だに藤巻さんのソロの活動とレミオの折り合いのことはデリケートな話題です、わたしにとっては。笑